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SN7450Jの動作を見よう


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予告どおりSN7450Jの動きを見ていくことにします。

SN7450 回路図
以前74シリーズの変り種(その1)に載せた回路図(データシートより)を再掲しておきます。赤字は説明のために追記したリファレンスです。

まずはORの部分を見てみました。

X, Xの無い2側の入力はすべてGNDに接続して未使用としています。

観察対象の1側は出力1YにLEDを吸い込みで点灯できるように接続、電流制限用に330Ωを付けています。VCCはACアダプタで供給、電圧は実測で5.10Vでした。 

No. 1A 1B 1C 1D X X 1Y
1 GND GND GND GND 5.09V 0.00V 3.87V
2 GND GND 1kΩでプルアップ 1kΩでプルアップ 1.00V 0.84V 0.17V
3 1kΩでプルアップ 1kΩでプルアップ 1kΩでプルアップ 1kΩでプルアップ 0.98V 0.85V 0.17V

1ではどちらのANDも"0"出力です。Q2a, Q2bはOFFしており、Xは1.6kΩでプルアップされているためほぼ電源電圧になっています。Xは1kωでGNDに接続されているので0Vとなり、Q4はOFFします。1Yから電流を流しだしていないので、XからQ4のVBEとその下のDのVF分下がっていると思われます。

2ではQ2bがONします。ICは (5.10V - 1.00V) / 1.6kΩ = 約2.6mA、IBはQ2bのVBEが不明ですが1mA弱くらいになりそうです。これが1kΩとQ4のベースに流れ、Q4がONします。

3ではQ2aもONしますが、2とほとんど変わりません。Q2a, Q2bは飽和しているはずで、それは上のIBとICの比からも言えます。

続いてAND部分です。

まずは入力の特性です。TTLの入力はプルアップはしても"L"にする際はGNDに直結します。この非対称を確認してみましょう。

1C, 1DGNDにしてQ2bはOFFにしておきます。また1Bもプルアップして1Aだけを見ることにします。

No. 1A 1B 1C 1D 1A X X 1Y
4 Open 1kΩでプルアップ GND GND 5.10V
1.71V
1.00V 0.84V 0.17V
5 10kΩでプルダウン 1kΩでプルアップ GND GND 1.57V 1.00V 0.84V 0.17V
6 3.3kΩでプルダウン 1kΩでプルアップ GND GND 1.51V 1.02V 0.83V 0.18V
7 1kΩでプルダウン 1kΩでプルアップ GND GND 0.93V 4.55V 0.36V 3.51V
8 330Ωでプルダウン 1kΩでプルアップ GND GND 0.36V 5.09V 0.00V 3.87V
9 100Ωでプルダウン 1kΩでプルアップ GND GND 0.12V 5.09V 0.00V 3.88V

まず入力をオープンにした4ですが、文句無く"1"と認識されています。内部で4kΩにプルアップされているようなものですから。
当初抵抗値を変えたプルアップも見ようとしていたのですが、違いがわからないのでやめてプルダウンのみ見ることにしました。

まずVILの観点で見ると330Ωでやっと規格の0.8Vを達成しています。

一方、1Yに注目すると1kΩで"1"に反転しています。ただこの時のX, Xを見るとちょっと微妙な電圧になっています。

今回1Bはプルアップしていますが、これもプルダウンした場合は両方の電流が同じ4kΩを流れることになるので状況は変化するはずです。

実はこのあたり、特にQ1のコレクタとQ2のベースの部分の動作がまだ理解しきれていません。ここをはっきりさせてから続きを書きたいと思います。

2019年8月11日 修正:
入力をオープンにした4の1Aの電圧が誤っていましたので修正しました。

参考文献・関連図書: 
SN5450, SN7450データシート, Texas Instruments.

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