2019-08-09 23:39 — asano
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予告どおりSN7450Jの動きを見ていくことにします。
以前74シリーズの変り種(その1)に載せた回路図(データシートより)を再掲しておきます。赤字は説明のために追記したリファレンスです。
まずはORの部分を見てみました。
X, Xの無い2側の入力はすべてGNDに接続して未使用としています。
観察対象の1側は出力1YにLEDを吸い込みで点灯できるように接続、電流制限用に330Ωを付けています。VCCはACアダプタで供給、電圧は実測で5.10Vでした。
No. | 1A | 1B | 1C | 1D | X | X | 1Y |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | GND | GND | GND | GND | 5.09V | 0.00V | 3.87V |
2 | GND | GND | 1kΩでプルアップ | 1kΩでプルアップ | 1.00V | 0.84V | 0.17V |
3 | 1kΩでプルアップ | 1kΩでプルアップ | 1kΩでプルアップ | 1kΩでプルアップ | 0.98V | 0.85V | 0.17V |
1ではどちらのANDも"0"出力です。Q2a, Q2bはOFFしており、Xは1.6kΩでプルアップされているためほぼ電源電圧になっています。Xは1kωでGNDに接続されているので0Vとなり、Q4はOFFします。1Yから電流を流しだしていないので、XからQ4のVBEとその下のDのVF分下がっていると思われます。
2ではQ2bがONします。ICは (5.10V - 1.00V) / 1.6kΩ = 約2.6mA、IBはQ2bのVBEが不明ですが1mA弱くらいになりそうです。これが1kΩとQ4のベースに流れ、Q4がONします。
3ではQ2aもONしますが、2とほとんど変わりません。Q2a, Q2bは飽和しているはずで、それは上のIBとICの比からも言えます。
続いてAND部分です。
まずは入力の特性です。TTLの入力はプルアップはしても"L"にする際はGNDに直結します。この非対称を確認してみましょう。
1C, 1DはGNDにしてQ2bはOFFにしておきます。また1Bもプルアップして1Aだけを見ることにします。
No. | 1A | 1B | 1C | 1D | 1A | X | X | 1Y |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | Open | 1kΩでプルアップ | GND | GND | 1.71V |
1.00V | 0.84V | 0.17V |
5 | 10kΩでプルダウン | 1kΩでプルアップ | GND | GND | 1.57V | 1.00V | 0.84V | 0.17V |
6 | 3.3kΩでプルダウン | 1kΩでプルアップ | GND | GND | 1.51V | 1.02V | 0.83V | 0.18V |
7 | 1kΩでプルダウン | 1kΩでプルアップ | GND | GND | 0.93V | 4.55V | 0.36V | 3.51V |
8 | 330Ωでプルダウン | 1kΩでプルアップ | GND | GND | 0.36V | 5.09V | 0.00V | 3.87V |
9 | 100Ωでプルダウン | 1kΩでプルアップ | GND | GND | 0.12V | 5.09V | 0.00V | 3.88V |
まず入力をオープンにした4ですが、文句無く"1"と認識されています。内部で4kΩにプルアップされているようなものですから。
当初抵抗値を変えたプルアップも見ようとしていたのですが、違いがわからないのでやめてプルダウンのみ見ることにしました。
まずVILの観点で見ると330Ωでやっと規格の0.8Vを達成しています。
一方、1Yに注目すると1kΩで"1"に反転しています。ただこの時のX, Xを見るとちょっと微妙な電圧になっています。
今回1Bはプルアップしていますが、これもプルダウンした場合は両方の電流が同じ4kΩを流れることになるので状況は変化するはずです。
実はこのあたり、特にQ1のコレクタとQ2のベースの部分の動作がまだ理解しきれていません。ここをはっきりさせてから続きを書きたいと思います。
2019年8月11日 修正:
入力をオープンにした4の1Aの電圧が誤っていましたので修正しました。
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