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Fujitsu MB8863


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MB8867と一緒にこんなものも調達していました。目的は同じです。


同じく富士通のMB8863H、1991年製です。プラスチックDIPですが富士通独特の下側に溝のあるタイプではありませんね。いつ頃切り替わったんだったかな。

今度のはパッケージに見合った機能、調歩同期シリアルの石です。要はMC6850 ACIAの富士通型番のものになります。

MB8861, MB8870はMC6800, MC6802に対して命令が増えているなどの拡張がありましたが、これはMC6850に何か拡張施されているのでしょうか? 前にも書いたと思いますが富士通関係のデータシートはなかなか見つからないので比較できていません。

末尾の「H」は2MHz品だったと思いますが、これもデータシート確認できないので類推です。


裏側、左側に「P2」の刻印があるのみです。

ところでMB886x台, MB887x台にはよく知られた石の富士通型番のものが並んでいました。

MB型番 オリジナル 機能 備考
MB8860 Motorola MC6800 MPU 詳細不明
MB8861 Motorola MC6800 MPU 拡張命令あり
MB8862 Motorola MC6820 PIA
MB8863 Motorola MC6850 ACIA
MB8864 Motorola MC6852 SSDA
MB8866 WD FD1791 FDC データバスは負論理
MB8867 クロックジェネレータ 富士通独自
MB8868 WD TR1602 ? UART
MB8869 CRTC ? 詳細不明
MB8870 Motorola MC6802 MPU 拡張命令あり
MB8871 Motorola MC6802 ? MPU 詳細不明
MB8872 Motorola MC6846 RIOT
MB8873 Motorola MC6840 PTM
MB8874 MC6821 PIA
MB8875 Motorola MC6854 ADLC
MB8876 WD FD1791-01 FDC データバスは負論理
MB8877 WD FD1793-01 FDC データバスは正論理

残念ながらデータシートの見当たらないものが多く、過去のメモなどを参考にリストにしてみました。そういう事情で裏取りがあまりできていません。ご注意ください。

こうしてみるとMC6800ファミリとWestern Digitalのものが多いですね。特に有名だったのは一部パソコン系で使われたMB8877でしょう。プロテクトがらみでFDCの名前が表に出やすかったですし。

後のMC6809はMBL6809と独自型番を止めていますし、Intel系は最初からプレフィックスだけ変えて番号は元のものを使っているようです。

参考文献・関連図書: 
MB8866,MB8876,MB8877データシート, Fujitsu Microelectronics.
MB8867, MB8867Eデータシート, Fujitsu.
MB8868Aデータシート, Fujitsu.

コメント

MB8863、MB8864といった24ピンのプラスチックパッケージ版は、最初から溝なしのようです。
あと、それぞれ MC6850、MC6852 と完全コンパチで、特に拡張機能等はありません。
そういえばMB8867のプラスチック版も溝なしでした。
参考文献:富士通集積回路 マイクロコンピュータファミリ 8ビット・16ビット編1984年11月

42/40/28ピンパッケージが溝あり→溝なしに変わったのは、私の観測では1993年前後と推定しています。

いつもありがとうございます。

溝付きは28ピン以上だったんですか。
言われてみると確かに28,40,42ピンでしか見た記憶ないですね。
それにしてもあの溝、富士通以外ではまったく見かけない独自のものですが、なんの意味があったんでしょうね?

MB8863は完全コンパチでしたか。何か追加されていたら面白いなと期待があったんですが残念です。

遅レスすいません。
富士通の24ピンLSIは最初からこのパッケージだった訳ではありません。
初期の頃は、切欠きが無く、24ピン付近に凹が、1ピン付近には1ピンを示すマークが捺印されていました。
FM-8で使われているマスクROM(MB8364)がそのパッケージでした。
https://twitter.com/hiropapa00/status/736455528860127233
https://www.ebay.com/itm/283968832826
42/40/28ピンの溝あり→なしの移行よりも10年位早く、
1983年頃に移行しているようです。

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