2017-11-11 22:55 — asano
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一番最初に取り上げた600A型電話機をついに御役御免にすることができたので中を開けてみました。
これがシャーシです。奥に伸びているのは電話線、左が(送)受話器へのコード、右へ行く黄色と灰色の線はカバーへ向かう内部配線です。
電気回路といえるのは奥の基板だけです。
左側にはコイルが見えますね。テレホンピックアップはここから漏れる磁界を捉えていました。そういえば左奥がもっともよく聞こえたように思います。
右側の銀色の円筒はコンデンサでしょうか?
間にあるグレーや赤のものは抵抗器です。今ではあまり見ない形状ですが、真空管時代のラジオ等を分解するとよく見かける部品でした。
基板を外して裏を見てみたいのですが、リベットのようなもので固定されていて簡単には外れそうもありません。
手前側はベルです。大きさの異なるものが付いているんですね。右側が駆動用の電磁石です。
これはカバーの内側です。
グレーの線が繋がっているのはフックのスイッチです。
手前はダイヤルです。電気的にはスイッチで、ダイヤルした数字に対応する回数だけ断続するようになっています。メカの塊ですね。
中に回路図も入っていました。
ICはおろかトランジスタもありません。右端のVR-60というのが唯一の半導体(バリスタ)のようですが、保護用で通話機能には関係ないと思われます。
左下は基板の端子配置図です。
これはローゼット、屋内配線と電話機のコードを接続するところです。
現在では6P2Cのモジュラーコネクタを使うのが普通ですが、以前はこんなのが壁にありました。柱などに取り付けられているか、スイッチボックス(スイッチやコンセントを入れてある箱)の中に入っていました。
中はネジで固定されているので簡単に外すことはできません。
左は電話機本体へのコード、右は抜き差しできるように取り付けたモジュラーコネクタつきのコードです。
コメント
こんにちは。過去の記事に失礼いたします。
こんにちは。過去の記事に失礼いたします。
600型は一般家庭にこれほど普及したこともあり、あまり
技術面では注目されることはないのですが、標準電話機では
初めてのプリント基板の採用や従来電話機よりもさらに高感度と
現在の電話技術の基礎となった一つの完成系の電話機という側面もあったようです。
以下の論文のサイトに詳しい論文が載っていましたのでリンクを付させていただきます。
これを読んだ後に600型を見ますと単なる黒電話というレトロ的な存在から
技術者達の研究と試行錯誤によってもたらされた結晶のように思えてきました。
突然のコメント失礼いたしました。
電電公社における電話オーディオ技術の研究実用化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/essfr/5/2/5_2_114/_article/-char/ja/
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