2019-02-15 23:51 — asano
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ちょっと変わったものを入手したので今回はNECのμPD7220を取り上げてみます。
PC-9801F2を分解したときに撮った写真を拡大したのでちょっと見難いですが、NECのμPD7220AD GDC(Graphics Display Controller)です。
先日のEF9367のすぐ後に登場したこれは直線だけでなく円弧の描画機能を持っています。
後継のμPD72120 AGDC(Advanced Graphics Display Controller)はHD63484 ACRTCの影響を受けたのか閉曲線内の塗りつぶしなどにも対応しています。上位互換ではありません。
これはPC-9801シリーズに使われたので有名でした。テキスト表示用とグラフィック表示用にそれぞれ1つずつ搭載されていました。一つでテキストとグラフィックも対応できたはずですが何故かこういう構成です。
一つ考えられるのはN5200をベースに開発されたためという理由です。初期にはグラフィック機能はオプションだったらしいので、その辺が理由で共用できなかったのかもしれませんね。
PC-9801シリーズでのGDCの使い方でもう一つ変わっているのはビデオRAMの配置です。GDCはビデオRAMをローカルに配置する(CPU空間にはマップしない)のが標準です。それをPC-9801シリーズではわざわざCPU空間に配置しています。もしこれをしていなければ640kBの壁もなく、768kB~900kB程度のメモリ空間が使えたかもしれません。
もしそうなっていたら逆にGDCが性能向上のボトルネックになっていた可能性があります。CPU性能が上がってもGDC経由でしかビデオRAMにアクセスできないので。
で、これが最近入手したZ7220A-7、なんとZilogロゴのGDCです。
ただパッケージも左右についている黒いプラスチックパーツもNEC製とそっくりなんですよね。他にも「JAPAN」とあるけどZilogって日本国内に工場あったっけとか、「8451X9」もNECのデートコードの表記とそっくりとか気になる点がいくつもあります。
これ製造もNECがしているんじゃないのかなぁ。
参考文献・関連図書:
uPD7220Aデータシート, NEC Electronics.
Z7220Aデータシート, Zilog.
uPD72120データシート, NEC Electronics.
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