2019-05-26 23:13 — asano
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以前Twitterで「売ってるよ」という情報があってその時は思いとどまっていたのですが、結局買ってしまいました。
FairchildのF3850、F8ファミリの一員のCPUです。
末尾が「L」なので動作温度範囲が-40°C~+85°Cのいわゆる産業グレードですね。1982年製です。
このCPUはアドレス回路(レジスタもバスも)を持たないというちょっと変わった構成になっています。それらは別のメモリインターフェイスユニットにあり、最低でも2チップが必要となります。
- F3851 PSU(Program Storage Unit)
1kBのマスクROM・8bit×2の双方向I/O・タイマなどが搭載されています。 - F3852 DMI(Dynamic Memory Interface)
16ビットのアドレスバス・リフレッシュ回路・DMACサポート回路などが搭載されています。その名称に反してSRAM, ROMを接続することも可能です。 - F3853 SMI (Static Memory Interface)
16ビットのアドレスバス・タイマが搭載されています。 - F3856 PSU(Program Storage Unit)
2kBのマスクROM・8bit×2の双方向I/O・タイマなどが搭載されています。
これらを組み合わせて使用します。
F3850自体も8bit×2の双方向I/Oと64バイト分のスクラッチパッドメモリを持っているので、F3851またはF3856と組み合わせればRAMなしではあるものの32ビットのI/Oとタイマを持った2チップ構成ができます。
マスクROMが使えない場合なら、F3853を使ってUVEPROM(と必要に応じてSRAM)を接続できます。8bit×2のI/Oとタイマも使えます。
タイマが不要で大容量のRAMが必要ならF3852にUVEPROMとDRAMを接続できます。
個人的に使う場合マスクROMのF3851/F3856は使えないのでF3852かF3853を組み合わせてEPROMを接続することになります。
裏側にも「3850」が記されていました。
安かったので予備にもう一つ確保しています。
こちらも「L」です。1980年製ですね。
やはり裏側にも型番があります。
上にも書いたように単独では使えません。F3853も入手していますので次回はそれを取り上げる予定です。
参考文献・関連図書:
F3850データシート, National Semiconductor.
F3851/F3856データシート, Fairchild.
F3852/F3853データシート, National Semiconductor.
関連項目:
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