2020-09-17 23:26 — asano
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ジャンク箱かき回しているといろいろ出てきますねぇ。
AvaSem AV9107-03CN14、1992年製と思われます。探すとデータシート見つかりました。
これは1つの水晶から2系統のクロックを出力するクロックジェネレータで、その周波数は内蔵ROMと4本の入力ピンで決まります。つまり最大16通り(ROMによります)から選択でき、条件付ですがグリッチのない周波数の遷移が可能です。
このAV9107-03CN14の周波数(水晶は14.318MHz)を以下に示します。
FS3 | FS2 | FS1 | FS0 | CLK1 | |
---|---|---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 | 16MHz | 16.00MHz |
0 | 0 | 0 | 1 | 40MHz | 39.99MHz |
0 | 0 | 1 | 0 | 50MHz | 50.11MHz |
0 | 0 | 1 | 1 | 80MHz | 80.01MHz |
0 | 1 | 0 | 0 | 66.66MHz | 66.58MHz |
0 | 1 | 0 | 1 | 100MHz | 100.23MHz |
0 | 1 | 1 | 0 | 8MHz | 8.02MHz |
0 | 1 | 1 | 1 | 4MHz | 4.01MHz |
1 | 0 | 0 | 0 | 8MHz | 8.02MHz |
1 | 0 | 0 | 1 | 20MHz | 20.00MHz |
1 | 0 | 1 | 0 | 25MHz | 25.06MHz |
1 | 0 | 1 | 1 | 40MHz | 40.01MHz |
1 | 1 | 0 | 0 | 33.33MHz | 33.29MHz |
1 | 1 | 0 | 1 | 50MHz | 50.11MHz |
1 | 1 | 1 | 0 | 4MHz | 4.01MHz |
1 | 1 | 1 | 1 | 2MHz | 2.05MHz |
CLK1に値が2つあるのは何故か1992年のAvaSemのデータシート(左)と1998年のICSになってからのデータシート(右)で表記が異なるためです。またもう1本のクロック出力は14.318MHz固定です。
ROMによっては強制的に8MHzを出力するモードもあって、これは昔のPCのターボスイッチ用ですね。AV9107-03CN14にはこの機能はありませんが。
ちなみに型番のうち「03」がマスクオプションで周波数ROMと一部ピンの機能を指定します。「CN」はDIP、「14」は14ピン(マスクオプションによって8ピンと14ピンがあります)であることを示しています。
裏をみたらインドネシア製でした。
これ、MX8315と同じように486マザーボードからの取り外し品でしょうね。
MX8315は20~80MHzと高いクロックばかりだったので使いづらいのですが、こちらは8MHzとかの低いクロックもあるので古いマイコン用にも使えるかも。動作中に切り替えないなら分周器とセレクタですみますが、これなら動作中でもいけるでしょう。
参考文献・関連図書:
AV9107データシート, AvaSem.
AV9107Cデータシート, Integrated Circuit Systems.
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