2016-10-20 07:32 — asano
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先日購入したタイガー計算機の操作方法を書いておきます。
これを読んで実際に操作する人は殆どいないとは思いますが、ディジタル式の電子計算機の乗除算器と考え方は似ていますので比較してみると面白いかもしれません。
まずは各部の説明から。
a.では下のレバーで数値を設定します。レバーと上の窓は連動しているので異なった値を表示することはありません。
乗算のときは数値の片方(被乗数)をここでセットします。除算時には被除数と除数の両方をここでセットします。
b.の窓にはハンドルdを回した回数が表示されます。
乗算時には乗数の回数だけハンドルd.を回転させますが、その回数を確認できます。除算時には商が表示されます。
c.の窓の数字はハンドルd.を右に回すごとにa.だけ加算されます。左に回すとa.だけ減算されます。
乗算時には積が表示されます。除算時には剰余が表示されます。
d.のハンドルを回すごとにb.には1が、c.にはa.が加減算されます。定位置は下で、回し始めたら再び定位置に来るまで回さなければなりません。途中で戻すことはできません。
またハンドルが定位置にないときは他のレバー等はロックされ操作できなくなります。
回したときにc.にキャリー(またはボロー)が発生するとベルが「チン」と鳴ります。
e.のレバーを倒すことで窓b.,c.の部分を左右に1桁ずつ動かすことができます。
例えば99×99を計算するのにはa.に99をセットし、d.を99回転すればよいのですが、99回も回すのは大変です。ましてもっと大きな数では現実的ではありません。そこで9回したらこのレバーでb.,c.を右に1桁ずらします。するとd.の1回転が10回に相当しますのでもう9回せば全体で99回したことになるのです。
もっと楽をするには2桁右にずらしておいて1回し(100回に相当)、桁を戻してd.を逆に1回せば100-1で99回したことになります。ちなみに理由は後述しますが、先に逆回転させてはいけません。
このレバーで通常は1桁ずつ移動しますが、裏側のロックを外すと自由に移動できるようになります。
先ほどからd.の回転方向とb.の加減算をあいまいに書いてきましたが、その理由はこのレバーにあります。
これが左(×)にあるときはd.を右に回すとb.に1加算されます。これは乗算時の動きです。
逆に右(÷)にあるときはd.を左に回すとb.に1加算されます。これは除算時の動きになります。
中央にあるときにd.を右に回すとこのレバーf.は左に動きます。d.を左に回すとf.は右に動きます。いずれの場合もb.には1が加算されます。つまり最初にどちらに回したかで乗算するのか除算なのか自動的に切り替えるようになっているのです。上で「先に逆回転させてはいけません」と書いたのはこれが誤動作するからです。
g.のレバーを押すとa.が0にリセットされます。手で戻すよりちょっとだけ楽ができますね。
h.のレバーを引くとc.がリセットされます。
i.のレバーを引くとb.がリセットされます。同時にレバーf.が中央にリセットされます。
最後にレバーj.ですが、これは一部の機種のみの特殊機能になります。
a.が0の状態で、このレバーj.を左に倒しながら、レバーh.を引くと、c.がリセットされる前にc.の値がa.にセットされます。
例えばx×y×zを計算する場合、まずa.にxをセットしてハンドルをy回すとx×yが窓c.に求まります。ここで上の操作でこの値をa.にセットすれば後はハンドルをz回すことでx×y×zが求まるというわけです。
だいぶ長くなってきたので計算例はまた次回ということにしましょう。
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