2017-02-24 19:02 — asano
今回もネットワーク関係、ISAのネットワークボードです。
3Com製のEtherLink II (3C503)ネットワークボードです。これにはバリエーションも多く、上のものは「ASSY #7920」と呼ばれていたものです。
8bit ISAのボードで、10BASE-5 (AUI)と10BASE-2をサポートしています。
中央下の大きなPLCCの石はおそらくゲートアレイ、テクニカルリファレンスにもゲートアレイについて言及があります。
その上の3ComロゴのあるものはDC-DCコンバータでしょう。10BASE-2のICは絶縁された電源で駆動しますからこれが必要になります。その点、10BASE-Tは絶縁された向こう側に電源を供給する必要がありませんから、パルストランスで信号のみ絶縁すればすみます。AUIはトランシーバ側で絶縁することになっているのでコントローラ側では絶縁不要です。
右上のLT6018が10BASE-2のパルストランス、その下のP9318というのがCoaxial Transceiver Interfaceでしょう。この2つは残念ながら詳細はわかりません。
中央やや左のDP83901AVがメインのSerial Network Interface Controllerになります。
その左下のKM6264BLG-10は8k×8bit SRAMで、バッファ用でしょう。
その下のラベルの貼ってあるICはMACアドレスを格納しているROM、今ではSPIの93C46相当品が使われることが多いですが、昔はさまざまなROMが使われていました。バイポーラPROMが使われていることもありましたね。
左端のUVEPROM M27C256B-12FIは最初からこのボードに搭載されていたわけではありません。
ネットワークのボードにはよくROM用のソケットが搭載されていました。ここにROMを挿し(特定のアドレスにシグネチャが書かれ)ているとPCはHDD等からOSを起動する前にROM内のプログラムを実行します。ネットワーク上のサーバからメモリにOSを転送して実行するプログラムをこのROMに用意することによりHDD無しでOSを起動することができるのです。
このROMはおそらくFreeBSDを起動させるためのもの、自分で書き込んで挿したものです。自分自身のアドレスやサーバのアドレスはBOOTPと呼ばれるプロトコルでサーバから得られ(サーバのアドレスがわからなくてもBOOTPは使えます)、その情報を元にOSのカーネルをTFTPで取得します。OS起動後はNFSでファイルシステムをマウントします。
これでHDDもFDDもCD/DVD-ROMもなしにOSを動かすことができるのです。ディスクレス等と呼ばれます。X端末等もこの方法で立ち上げるものが多かったですね。
もしかすると小型PCで使用していたものかもしれません。起動用のデータやNFSのイメージは研究室のマシンに置いていたのかなぁ。管理者だったので技術的にはできたのですが...
ROMがジャンパで「DISABLE」になっているのは他で使うときに抜くのが面倒だっただけです。
ブラケット部、左が10BASE-2のBNCコネクタです。
右側が10BASE-5のAUI、コネクタはDA-15ですがロックはスライド式です。写真は開放状態で、右側にスライドするとロックされます。
試しにCentreCOM MX10を接続してみました。
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