2017-04-12 23:26 — asano
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これを「パソコン」のカテゴリーに分類していいのか若干疑問ではありますが...
NEC製のキーボード、N5200シリーズ用のものです。N5200シリーズは「オフコン」(オフィスコンピュータ)などと呼ばれていました。発売はPC-9801シリーズよりも前です。
古いものでだいぶ黄ばんでいますね。撮影前にキートップを外して漂白剤や洗剤に漬けて洗ったのですが、汚れは落ちても色はどうにもなりません。手前側側面が下段キーの影のように変色しているので光(おそらく紫外線)による樹脂の変質と思われます。
カナがJIS配列の日本語キーボードですが、キーの数はかなり多いです。
- ファンクションキーはPF1~PF22まであり、上のガイドによるとCTRL, FNCキーと押すことによって切り替わります。
- SW1, SW2, CAPSはメカニカルロックになっています。
- SKIP, B SKIP(Back SKIPの略?), RESETなんていう見慣れないキーもあります。
- BS, DEL, INSに相当するキーは見当たりません。上のガイドのPF18, PF19に「削除」「挿入」がありますので、これを使うのでしょうか?
- 「実行/送信」なんてキーもあります。これについては後述します。
- テンキーにも「項コピー/項消去」やプリント?、ローマ数字の「I」「II」なんてキーがあります。
上部のガイドは紙を挟むようになっていて、使用するソフトウェアに合わせて入れ替えられるようになっています。写っているガイドも裏面には別なものが印刷されていました。
コードは中央から出ていて、左右に彫ってある溝のどちらかに通すことによって右側からも左側からも出せるようになっています。
右側面にはミニDIN 8ピンのコネクタがありました。現代のキーボードなら間違いなくマウス用でしょうが、どうでしょうか?
- マウス
- ライトペン(画面に押し当てて座標を入力するもの)
- バーコードリーダ
- デジタイザ(ペンタブレット)
- CAD等の専用キーボード
いろいろ想像はできますが、実はよくわかりません。
本体へ接続するコネクタは8P8Cのモジュラコネクタでした。
さて、何でこんなキーボードを持っているかというと懐かしくてジャンクで買ってしまったから。
大学時代に計算機センターにあったACOS (NECの大型機、確かSX-1EA、のOS)用のターミナルのキーボードがこれとそっくりだったのです。さすがに当時型番まで確認してはいないので本当に同一かはわからないのですが。
今PCやマイコンの世界でターミナルと言えば、キーを押せばそのコードが送られ、送られてきたコードの文字が表示される、いわゆるダム端末を指すのが普通です。
キーのスキャンや表示処理以外はホスト側が実行します。
一方で大型機の端末は違います。
最初に1画面分の表示内容と、どの場所を書き換えてよいかといった情報がまとめてホストから送られてきます。ターミナルの画面にはまずこれらが表示されます。ユーザはこの画面をカーソルを動かしたり文字を入力したりして編集するわけですが、この編集処理は全てターミナル側で実行され、ホストは一切関与しません。編集が終わったら先の「実行/送信」キーを押すと入力した内容がまとめてホストに送られます。そしてまた次の画面が送られてくるのです。
ホストの貴重な処理能力をユーザの相手という(待ちの多い)処理で無駄にしないための工夫です。
それでファイルの編集とか実行するコマンドの入力とかを(ターミナル側で)済ませても「実行/送信」キーを押すまではホストには何も送られていません。ここでうっかりターミナルの電源を切ったりすると入力が失われます。逆に言うと「実行/送信」キーを押すまではやり直せるのです。もう一度画面上で確認して、最後に「行けぇーっ」とばかりに「実行/送信」キーを押すのです。つい気合が入るので人によっては右手親指で弾くように力を込めて叩いたり。
「実行/送信」キーはそんなちょっと懐かしいキーです。
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