2017-06-10 14:57 — asano
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今回はコネクタ編の2回目ということで、フタで隠されているものを開けていきます。
背面左側のフタを開けるとシステムバスのコネクタがあり、日本語処理ユニットとリボンケーブルで接続されています。リボンケーブルなど使わずに直接コネクタで接続すればよさそうですが、浮動型コネクタのいいものが無かったのでしょうか。
ここには日本語処理ユニットの代わりに、ユーザが回路を作れるユニバーサルユニットを接続することも出来ました。一方、オペレーションマニュアルp.23には「注:日本語処理ユニットを取り外して使用すると、動作は保証されません。」という一文もあり、このシステムバスの扱いがよくわかりません。
上のコネクタを外し、ネジを4本抜くと日本語処理ユニットを分離することができます。前述のようにこの状態での動作は保証されていないわけですが、デザイン的にはこっちの方がスッキリしています。姉妹機のHC-80がこの形態です。
本体底面にはフタが3ヶ所あります。上2つは日本語処理ユニットに隠れていました。
左上にはROMが1つ入っていました。ここからは見にくいので分解編で見ていくことにします。
右上にはメインの電池が入っています。電圧・容量は4.8V 1100mAh、時代的にも電圧的にもリチウムイオン電池な筈がありません。4.8Vということは1.2VのNiCdまたはNiMHの4セル構成と思われますが、HC-88の発売はNiMH実用化前なのでNiCdでしょう。マニュアルにもメイン・サブ2系統のNiCd電池を使用しているとあります。
下は日本語処理ユニットを装着した状態でもアクセス可能で、しかも工具無しで簡単に開けられるようになっています。
中には変わったソケットに入ったROMが2つ、ディップスイッチ、リセットボタンが入っていました。リセットは外にもあったので「???」と思ってマニュアルを確認したところ外のものはメインCPUのリセット、このフタの中のはスレーブCPUのリセットだそうです。
ROMにはそれぞれ「UTY-J」「BAS-J」の表記がありますから、ユーティリティとBASICのROMだと思います。他に表計算ソフト(日本語スーパーカルク)もあるらしいのですが見つかっていません。入手時にすでに失われていたのかもしれません。
これらのROMはユーザが頻繁に抜き挿しを行なうことが想定されますが、通常のICソケットではピンを折るリスクが高いです。そこでROMをこのようなカプセル状にしています。ピンの保護と同時に逆挿しも防止できるようになっています。
同様のソケットがTandy 200にも使われていました。
下から見るとピンの細い部分を内側に巻き込むことによって固定していますね。
通常のソケットはピンの細い部分で接触しますが、これはその上(この写真では下)の幅広い部分で接触します。
両側の部分の形状を非対称にすることで逆挿しを防ぎ、おそらくピン数の異なるソケットへの挿入も防ぐ仕組みと思います。
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