2016-06-24 16:50 — asano
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TMM323Cではわからなくても、2716と言えばわかる人も多いでしょう。
初期の頃の紫外線消去タイプのEPROMです。窓の周りやピンの形状が古めかしいですね。
24ピンで容量が16kbit(2kバイト)、アクセスタイムは450nsだったでしょうか。この2716から5V単一電源になって書き込みも簡単になったそうですが、私はEPROMはこの2716から使い始めたのでその点の実感は無いですね。後から2708の仕様を読んで「げっ」と思ったものです。
Flash ROMが使えるようになる前の時代、マイコンボードを自作する上での大きな壁の一つがROMをどうするかと言うことでした。テンキーからプログラムを入力するにしてもテンキーを制御するプログラムが、テープ・ディスクから読み込むにしてもテープ・ディスクを制御するプログラムがそれぞれ必要で、それをどうやって用意するかが問題でした。
手動入力(CPUを眠らせておいてCPUの代わりに人がスイッチでバスを操作し、1バイトずつ書き込む方法です)で電源を入れるたびに書き込むか、一度頑張って書き込んだらRAMを電池でバックアップし続けるか、何とかしてROMに書き込むか、です。
今では数万円でROM書き込み器を購入できますが、とても個人で買えるものではなかったのです。中にはROMへ手動で(もちろん書き込みパルス幅はワンショットなどの回路で作るわけですが)書き込んだ人もいたとか。
私は幸いにしてパソコンを所有していましたので自作した書き込み回路を接続して書き込んだのですが、高電圧(2716の場合は25V)が必要で、間違ってパソコンを壊すんじゃないかとヒヤヒヤしながらでしたね。ただ残念ながらこの2716の書き込み回路は現存しないと思います。さすがに容量が小さすぎたので2764が安く手に入るとそれ用に作り変えてしまったからです。
型番を読みやすいよう真上から撮影したもの。
「TMM323C」というのは東芝独自の型番で、それではわかりにくいと思ったのか「2716」も併記されていますね。昔は「uPD780」とか「MB8877」のようにオリジナルと似ても似つかない型番も多かったですが、そのうちROMのような汎用品はどのメーカも型番に27xxxを含めるようになりました。
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