2018-03-21 22:29 — asano
近代科学資料館、第2回目は大型計算機編です。
これは UNIVAC 120、日本で最初期に電子計算機を導入した野村證券のものが寄贈されたもので、情報処理技術遺産に認定されています。
左上はプログラム用のプラグボード、右側中段には真空管がびっしりと並んでいます。
この本体以外にカードによる入出力装置もあったと思います。
プラグ・ボード部のアップです。
このボードの配線の仕方でプログラムを作成します。配線したボードごと外すことも出来たようで、ほかのプログラムを使う時には配線をしなおすかボードごと取替える方法がありました。
一度作成したプログラムを再利用に備えて取っておくにはボードごと外して保管するしかなかったのです。
これは真空管部分のアップです。
これはミニチュア管と呼ばれるもので、12AX7Aや正体不明の真空管でとりあげたものと同じくらいのサイズです。
「RCA」の文字が読めるものもありますね。
真空管の足元にある鳥籠のようなものには抵抗器やコンデンサなどが空中配線で詰まっています。
この UNIVAC 120 以外にも同じく真空管式の Bendix G15 Computer やパラメトロン式の富士通 FACOM 201 などの黎明期のコンピュータの展示があります。
鑽孔紙テープですね。
左奥が巻いたままの未使用のテープです。右は磁気テープと思われます。
手前が記録済みのテープです。一列に並んでいる小さな穴はテープ送り用のもので、新品に穴が無いところをみると記録時に開けていたのでしょうか。これは送り穴の下に5つ上に3つの穴の有無で記録するので8ビットずつの記録ですが、5穴・6穴・7穴のものも使われていました。矢印は向きがわからなくならないためのものです。
最後はパンチカード、コンピュータで最も一般的なのがこの80桁×12のものでしょう。
この80×12の穴の使い方もいろいろあったようですが、よく知られているのは縦12個の穴の組み合わせで一文字を表して80桁の一行分をカード1枚に記録します。FORTRANのソースコードのフォーマットや端末の横80桁等は元をたどればこのカードの影響でしょう。
私はテープもカードも実際に使ったことはありません。不便はわかっていますが一度くらいは使ってみたかったなとは思います。
次回はパーソナルな機器を予定しています。
注:本記事の写真は近代科学資料館の収蔵品を許可を得て撮影したものです。
コメントを追加