2018-09-23 15:17 — asano
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ちょっと面白いデバイスを入手しました。
メタルパッケージ(TO-72)の3SF11というものです。
まずその型番が変わっていますね。JISの個別半導体命名法によれば先頭の「3」から有効な電気的接続数(つまりピン数)が4、3文字目の「F」はサイリスタを表しています。
4ピンのデバイスというとデュアルゲートのMOS FETが有名です。3SK59なんかが無線関係の記事に使われているのを昔見ました。3SJ型番も少ないながらあるようです。
ホトカプラも多くが4ピンですが、大抵はハウスナンバでJIS,EIAJ登録されたものはあったのでしょうか?
TTLの入力に使われるマルチエミッタトランジスタも4ピンのものがあり得ますが、個別部品は見たことがありません。
それではこの4端子のサイリスタって何でしょう?
探してみるとたった1ページですがデータシートが見つかりました。「四端子シリコン拡散プレーナ型サイリスタ / Si Controlled Switch」というものだそうです。用途は数字表示管(ニキシー管でしょうか?)点灯用・スイッチングとのことですが、どう使うのかサッパリわかりません。
端子は Emitter, Base, Collector, Anode でサイリスタというよりバイポーラトランジスタみたいです。
下から見たところです。底は金属ではなく樹脂を流し込んだみたいになっています。端子番号はこの写真で左から時計回りに 1,2,3,4 となります。
さらにいろいろ調べていると同等品としてNTE239というのが見つかりました。こちらの資料には2種類のピン名が書かれていました。
1 | 2 | 3 | 4 | |
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3SF11データシート | Emitter | Base | Collector | Anode |
NTE239データシート Transistor Basing | Emitter(NPN) | Collector(PNP)/ Base(NPN) | Base(PNP)/ Collector(NPN) | Emitter(PNP) |
NTE239データシート Thyristor Basing | Cathode | Cathode/Gate | Anode/Gate | Anode |
一般的なサイリスタはPNPN構造から3つの端子が引き出されていますが、すべて引き出したのがこのSCSみたいです。ということは1本を未接続にすれば一般的なサイリスタとして動くのかな。
とりあえず典型的な使用例なんかを探さないと...
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