2019-05-01 23:57 — asano
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マイコンキットのモニタや簡易アセンブラ程度なら専用キーボードでもなんとかいけましたが、BASICなどの言語を使用するならフルキーボードが必要になります。
16進テンキーのマイコンでもオプションでフルキーボードが用意されたものもありました。メモリとディスプレイ回路を追加してBASICを実行するためのものです。
基板むき出しではなく完成品のパソコンになるとフルキーボード搭載が一般的になります。
キーボードの形態としては一体型と分離型がありました。
当初はキーボードは本体と一体になっているのが普通でした。現在のキーボードを分厚く(10cm程度)して中に本体機能を収めたようなものです。
厚さを増すと操作しづらくなるのでキーボードの下に基板を1枚配置し、拡張スロットや電源などは奥に配置するのが普通です。
奥行きを伸ばしてディスプレイを上に乗せるようにしたものもあります。日立のベーシックマスターレベル3などがこの形式です。
上位機種の多くは次に述べる分離型に移行していきましたが、低価格機を中心に一体型もしばらくは残りました。
拡張スロットを多数搭載したりフロッピディスク装置を内蔵したりするにはキーボードと本体を分離したほうが有利になります。
多くはコネクタで着脱可能でしたが、カシオのFP-1000/1100のように本体側キーボード側ともにコネクタが無く外せないものもありました。また着脱可能でもキー配列や信号は各社独自なので原則替えることはできません。今から考えるとよく我慢して使っていたなというところですが、当時は交換できるという発想が無かったのでそんなものだと思っていました。
キー配列に関してはアルファベット・数字は今と大差なくほぼ共通でしたが、その他は各社かなり異なっていました。
- カーソルキー:NECのPC-8001⇒PC-8801などは同じシリーズ内でも二転三転
- テンキーの記号や「000」など
- カナはJISが多いがMSXなどには50音配列も
- グラフィック文字(これは文字コードもバラバラ)
以上は思い出したものをいくつか挙げてみました。本サイトにもいくつかの機種のキーボード写真を掲載していますので、興味のある方は見比べてみるとよいと思います。またHappy Hacking Keyboardで有名な株式会社PFUのサイトにもキーボードコレクションのページがあります。
内部構成についてはキースイッチをマトリクスに接続しているという点ではほぼ共通しています。
マトリクスのスキャンについてはメインCPUで直接行なうものとサブCPUに行わせるものとがありました。他に8279のような専用コントローラを使ったものもあったのかもしれません。
キーボード分離型ではキーボード内のマイコンでスキャンしてシリアル通信で本体に送るものが多いですが、PC-8801のようにキーボード分離型でありながらメインCPUがスキャンしているものもありました。ケーブルがGNDを含めて14芯というとんでもないものです。
逆にFM-7などは一体型なのにサブCPU方式です。普通に文字入力に使用する場合はキーが押されたことがわかれば十分なので離されたことは通知されない仕組みになっていました。
キーボードのサブCPUを弄ることができればよかったのですが...
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