2017-06-28 21:18 — asano
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これはPC-8801mk2のものと思われるキーボードです。持っていないかもと思っていましたが出てきました。
違いを挙げてみるとこんな感じになります。
- XFER, NFERがない
- カーソルキーがテンキーの上に一列に並んでいる
- ファンクションキーが5つしかない
- INS/DELが一緒になっていてBSがない
NECのパソコンのカーソルキーの配置は二転三転していて、試行錯誤の跡が見られます。
- PC-8001ではSHIFTと組み合わせることにしてキーは2つ (テンキー上部)
- PC-8801(初代)は右シフトのところに逆L字配置
- PC-8801mk2(本件)ではテンキーの上に一列
- PC-9801はメイン部とテンキーとの間 (わりと直感的な並び)
- PC-9801系の一部(98XAなど)では中央にHOMEが追加されている
- PC-8801系の後期には今のPCのような逆T字のものも
他にもバリエーションあるかもしれませんが、今手元に資料がありません。
底面は折りたたみ式の脚があるだけで特に変わったところはありません。
ラベルの類が無いのは、おそらく単独で販売されなかったためでしょう。
コネクタには13ピンのDIN丸型に似た特殊なコネクタが使われています。ピン数が多いですね。
カバーを開けてみました。造りはオーソドックスです。
基板上にはほとんど部品がありません。
右の青いコネクタは数えてみると14ピンあります。ということは丸型コネクタの周囲のシールドも使っている(GNDとは思いますが)のでしょう。
唯一のICはSN74159N、一般的にキースキャンを行なうマイコン載っていることが多いのですが、これはTTLの74ファミリの4-Line to 16-Line Decoders/Demultiplexers with Open-Collector Outputsです。つまりキースキャンは本体が直接行なっているということです。ピン数が多いわけです。
4ビットでマトリクスのラインを指定して8ビットを返す、他にGNDと74159の電源に5Vが必要で、計14本ということだと思います。
最後に基板裏側を載せておきます。これで上部の74159以外にICが無いことがわかると思います。
なんでこんな構造になっているかというと、キーマトリックスを直接読むソフトウェアが多かったためでは無いかと思いますね。当時のZ80 CPUではソフトウェアエミュレーションは無理ですから、完全な互換性を保とうとするとキーボード側だけでなく本体側にもキーボード用のサブマイコンが必要になってしまいます。それよりはキーボードケーブルの芯線を増やしたほうがましと判断したのでしょう。
ちなみにPC-9801シリーズではBASICプログラムの互換性はINP命令(BASICでI/Oアクセスする命令)の処理の中でエミュレーションを実行しています。BASIC以外のプログラムはどうせ書き直す必要があるので互換性は諦めています。
コメント
古い記事へのコメントで恐縮ですが。
古い記事へのコメントで恐縮ですが。
これはmkII用ではありません。
本キーボードは機種名表記が省略されたmkIITR/FR/MR用と思われます。
mkII用及びmkIiSR用は機種名フル表記です。
またmkII用キーボードは隅がより角張っていて上面パネルも一体成形ではなく溝が見えます。
ご指摘ありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。
PC-8801mk2本体があったのでそれ用かと思っていましたが......
まぁまともに買ったものではないので適当に組み合わされていたのかも。
当初の機種はフルネーム表記していたけど、数が増えてきて共通化したといったところでしょうか。
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