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パーソナルなコンピュータの入力装置事情 (第5回: その他)


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入力装置事情も今回で最後、まだ取り上げていないものをまとめてこの項を終わりにしようと思います。

最初はデジタイザです。

平板上の座標を入力する機器で、マウスやトラックボールが相対的な移動量を入力するのに対し、絶対的な座標を入力します。今のペンタブレットにあたるものですね。

当時もペン型はありましたが精密なものでは「カーソル」と呼ばれるものが使われました。これはマウスに照準器がついたような形状のもので、デジタイザの平板上に置くと照準の中心の座標が入力できます。主に図面の入力用で、平板上に入力したい図面を固定しておいて頂点の座標を拾っていきます。

ペン型のものは手書き入力やキーボードの代わりに使われることもありました。
NTT技術史料館にて
写真はNTT技術史料館で見たものです。下半分が手書き入力エリアで、上半分は仮想キーボードになっています。印刷されたシートとソフトウェアを入れ替えれば配列を簡単に切り替えられます。

これらは分解能も高くとても高価なもので、とてもパーソナルとはいえない代物でした。

安価なものとしてはPC-6001やMSXのオプションとして販売されたものがあります。アナログの抵抗膜方式で、256×256程度の分解能だったと思います。ジョイスティック用のコネクタに接続します。当時あまり使い道がなく売れなかったようで、叩き売られているのを買ってみましたが結局使わなかったですね。

ペンの根元を1点に固定すれば角度の検知のみで実現できると自作した記事もありました。確かOh!PC誌だったかな。「ペン」として使いやすかったかはともかく、面白い発想だなと思ったものです。

デジタイザ・ペンタブレットがベクタ入力とすれば、イメージスキャナはラスタ入力といえるでしょう。

イメージスキャナも1980年代にはまだ高価なもので簡単に買えるものではありません。こちらもいくつか面白い自作例がありました。

一つはプリンタを改造したもので、印字ヘッドを外して替わりに光センサを取り付けます。紙送りとセンサの横スキャンはプリンタの動作と一緒というわけです。

もう一つは安く出回っていたファックス機を利用します。ファックスの送信はスキャナそのものですから、その信号をパソコンで解読して画像を得るというものでした。

FM-77AVなど一部のパソコンではビデオからの静止画キャプチャが可能になり、これもカメラと組み合わせればイメージスキャナの一種といえるでしょう。まだデジカメなど無かったころです。


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