2020-05-11 23:09 — asano
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またちょっと変わったデバイスを入手してみました。
ZilogのZ8594RSというものです。
以前取り上げたZ8613とそっくりな外観です。ピギーバックタイプですから何らかのマイコンであることは間違いないでしょう。
型番のZ8594からするとZ8000ファミリの一員、ノンマルチプレクスバスのペリフェラルの可能性が高そうです。
これは一体どういうこと?
ということでデータシートを探して確認したところ、UPC(Universal Peripheral Controller)というものでした。Z8マイコンのレジスタファイルの一部を外部からアクセス可能にしたもので、このレジスタファイルを介してメインプロセッサと通信しながらI/Oサブシステムを構成します。
MotorolaのMC68120/68121やIntelの8741Aと似たようなデバイスですね。
外部バスとROMの違いにより次の4種が存在します。
Z-BUS(マルチプレクスバス) | ノンマルチプレクスバス | |
---|---|---|
マスクROM | Z8090 | Z8590 |
ピギーバック | Z8094 | Z8594 |
これでマーキングの「ZILOG」「Z8594RS」「UPC」までわかりました。
次の「XRAM」とはどういうことでしょう?
Z8613では「XROM」とあってeXternal ROMのことではないかと考えています。それではなぜこれは「XROM」ではなく「XRAM」なのでしょうか?
じつはピギーバックソケットにはROMだけでなくRAMを搭載することもできます。メインプロセッサ側から搭載したRAMにプログラムを転送して実行できるようなのですが、詳細が書かれているらしい"UPC Technical Manual", #00-2055-01, Zilog. が見つからないので具体的な方法は不明です。
最後の「8442」はもちろんデートコードで、1984年製ということでしょう。
裏面、フィリピン製でした。1行目は暗号みたいでさっぱりわかりません。
これ、RAMが使えたら開発しやすそうなんだけどなぁ。
アドレス000CH~002FHまでブートストラップ用のROMを内蔵しているようで、このエリアは外部ROMが使えないようです。ということはROM載せて動かせばこのエリア読み出せるかな?
Universal Monitor動かせればすぐ確認できるかと思ったら、さすがにそうは問屋がおろしてくれないみたい。UARTが使えませんでした。ソフトUART書くか、I/Oポートの先にUART接続するか、いやこの石らしくメインプロセッサ経由にするのが良いのかな。
そのうちやってみよう。
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