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WRT8755


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以前紹介した8755(8085などのマルチプレクスバス用のROMとパラレルI/Oの複合デバイス)ですが、このような古い特殊なデバイスは最近の安価なライタではまず対応していません。私の愛用しているTL866Aも非対応です。

いつか作らなくてはと思っていたのですが...


SBCシリーズでおなじみの 電脳伝説@vintagechips さんが8755ライタのボードも用意されています。

それがこの「WRT8755」、PCとシリアルで接続して8755の中身のダンプ・書き込み・ベリファイが可能なボードです。

書き込み電圧を作るためのアナログ回路がある以外は部品点数も少なく作りやすいボードだと思いますよ。


中央のPIC18F4525-I/Pがメインのコントローラです。上の6ピンのコネクタはこのPICの書き込み用ですが、事前にTL866Aで書き込んでからソケットに乗せたのでこのコネクタは結局使用しませんでした。

左側は書き込み用の25Vの生成回路です。無調整ですむよう設計されていますが、電圧が異常な場合8755を破壊するリスクがありますので事前にこの部分だけ動かして電圧を確認しておくと安心です。

下のコネクタはシリアル、いつものようにTTL-232R-5Vを使用します。

右側の緑のZIFソケットはもちろん書き込み対象の8755を挿します。本物のTEXTOOLのソケットは高価なものですが、この互換品は安く250円だったかな、いつものARIESのものより安いですね。


PICにはまだ空きピンがあるようです。Cのソースコードも公開されていますので拡張もできそうです。

組み立て終わって電圧の確認も問題なかったので、試しに8755に書き込んでみます。

このライタにはブランクチェック機能が無いので電源投入後すぐにV(ベリファイ)コマンドを実行します。バッファの初期値はFFなのでブランクチェックの代わりになります。

続いて適当なインテルHEXをLコマンドで転送してWコマンドで書き込んでみます。容量は2kBと小さいですが意外に時間がかかりますね。

最後にもう一度Vコマンドを実行してベリファイを行ないます。

さて8755に書き込めて終わりではありません。本サイトでも何度か8085+8755/8355+8156の3チップ構成でマイコンシステムが作れると書きましたが、実はMCS8085というそのものズバリのボードがあります。というかこのWRT8755がそれを動かすためのツールという感じです。

次回はそのMCS8085を予定しています。

参考文献・関連図書: 
鈴木哲哉(2021)『WRT8755技術資料』
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