2016-12-17 11:11 — asano
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昨日の「SONY NWP-539N 5インチMOドライブ」の続きです。
記事を書いた後ネットを見ていたらコントローラ基板とドライブの間はいわゆるST-506ではなく、改良版のESDIのようです。
これがコントローラ基板(CCN-1)の表面、昨日の写真でわかるとおり外形サイズは5インチのドライブとほぼ同じです。
右上の50ピンのコネクタは言わずと知れたSCSIコネクタで、その左にはターミネータのソケット(ターミネータは未実装)があります。スイッチでターミネータをOnできるようになっていたのを憶えていますか? おそらくスイッチでOn/Offが容易なアクティブターミネータが背面のコネクタ基板に実装されていたのではないかと思われます。単なる中継基板だと思ってよく確認せずに再び組み立ててしまったので再確認はパスさせてください。
下のICソケットは背面の基板との接続でSCSI IDなどの設定用でしょう。
右下がそもそもこの基板がドライブとは別であることを疑わせた電源コネクタです。HDD等と同じ4ピンのコネクタですが、12Vは不要なので5V用のピンのみ使用しています。
ターミネータのソケットの左、34ピンコネクタがESDIのControl Connectorです。本ボードはドライブを2台まで制御可能ですが、この34ピンのケーブルは共通でデイジーチェーン接続になります。当然両端でターミネータが必要です。
その下に2つ並んでいる20ピンのコネクタはData Connectorでこちらは1対1接続になります。こちらはControl Connectorに比べて通す信号の周波数が高いのでこうしているのです。
余談ですが、昔のPC-9801用のハードディスクが似たような構造で、本体から1台目のユニットまでSASIで接続されていました。このユニット内にSASIからST-506へ変換するコントローラ基板が内蔵されていて、ドライブにはST-506で接続されています。コントローラはST-506ドライブを2つまで接続できる仕様なので、2台目のユニットはドライブだけが入っていて、1台目ユニットのコントローラにぶら下がるのです。
ですので2台目はジャンクのドライブだけ買ってきてケーブルを自作して増設していましたね。1990年頃だったでしょうか、秋葉原のラジオデパートの地下でNECのD3142だったか40MBのディスクを買ってきた記憶があります。
ここでまた例によって載っている部品を見ていきましょう。HDD関係はよくわからない(こんなもの作ろうと思いません)のでわかるものだけ。この基板、ありがたいことに地図のように座標が記されていますのでそれで書いていきます。
F2にあるWD33C93JMは前に紹介したことのあるSCSIコントローラですね。
D2,D3のPAL20L8ACNSはPAL (Programmable Array Logic)、PLDの一種で書き換えのできない(一度書き込んだら元に戻せない)ものです。現在のようなEEPROM構造のものができる前はこれが一般的でした。この20L8はフリップフロップの無いものでデコーダ等によく使われていましたが、この基板での目的は不明です。「CNT10」とか「CNT20」はメーカでの刻印ではなく、書き込んだときに識別のために記したものです。
C10はNECのμPD70208L-8 (V40)、以前紹介したμPD70216 (V50)の8ビットバス版です。このボードは1990年製のようですが、まだV30搭載のパソコンもある時代で、メインCPUと大差無いものがこんなコントローラに使われていたんですね。
A9はUV-EPROM、シールに隠れて型番は読めませんが28ピンであるところから64k~512kのどれかでしょう。
B7のM5M5256BFP-12Lは256kのSRAMで、おそらくはV40用のRAMと思われます。
A5,A6のμPD43256AGU-10LもSRAMですが、パターンの行き先からA2のバッファと思われます。A2の正体は残念ながら不明。
これは裏面、黄色いシルクは珍しいですね。裏にまでICの輪郭や番号が書かれています。
先ほど「1990年製のよう」と書いたのは右上のラベルからです。
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