2017-03-30 23:01 — asano
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今回はA/Dコンバータ、古いデバイスですが現行品です。
National SemiconductorのADC0809CCN、8チャンネルのマルチプレクサ付きの8ビットA/Dコンバータです。会社はTexas Instrumentsに買収されましたが、デバイス自体は存続しています。
逐次変換型のA/Dコンバータで、CPUバスに直結可能なことから1980年代には個人製作では定番のように使われたデバイスです。8ビットで最大10kS/sという性能から音声サンプリングには向きませんが、温度・湿度などのセンサ用にはチャンネルが多いこともあって好都合でした。あとはアナログ式のジョイスティックの読み取りにも使われました。
ジョイスティックの場合、こんなA/Dコンバータなんぞ使わずに積分回路の充放電時間をソフトで計るタイプも多かったですが。
バスに直結可能ではありましたが、設計をサボってあるいはタイミング的な問題でパラレルポートの先に接続されることもありました。それでもこれが使われたのは定番品で情報が多かったこともあったのでしょう。当時は個人でデータシート等を入手するのは難しかったですから。
現行品ということでTIからデータシートがダウンロード可能です(便利になったものです)。最後のところにマイクロプロセッサへの接続方法が記載されていたのですが、そこに並んでいるプロセッサがなんと8080, 8085, Z80, SC/MP, 6800でした。
2013年に改版されているのですが、この部分は修正しなかったようですね。まあこれらの基本的なプロセッサへの接続がわかれば他への接続も簡単にわかるわけで直す必要を認めなかったのでしょう。
参考文献・関連図書:
ADC0808/ADC0809データシート, Texas Instruments.
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