2017-04-25 22:00 — asano
Siemensの半導体部門は独立してInfineonとなりましたが、これはその前のものです。
SiemensのSAB8088-2-P、オリジナルはもちろんIntelの8088です。8086のデータバスを16⇒8ビットにしたもので、V30 (μPD70116)とV20 (μPD70108)の関係と同じです。
MC68000とMC68008の関係にも似ていますが、MC68008と異なりアドレス空間が狭くなったり割り込みレベルが一部省略されたりといった変更はありません。データバス幅以外の相違点はプリフェッチキューが3ワード(6バイト)から4バイトに減らされたこととそれに伴うプリフェッチのアルゴリズム変更のみです。もちろんバスアクセスに時間がかかりますから命令の実行時間は当然長くなります。
8086/8088のバスはデータとアドレスがマルチプレクスされているためデータバス幅が減ってもピン数には全く影響が出ていません。
ピン配置もほぼ一緒なので8088/8086兼用のボードも簡単に作れそうです。
ところでNMOSの8088/8086といえばやたらと熱くなることで有名なデバイスで、IntelのものはセラミックのCERDIPパッケージのみだったと思うのですが、これはプラスチックパッケージです。データシートによるとこの40ピンのプラスチックDIPの他に44ピンPLCCもあるようですがCERDIPは見当たりません。実はSAB8088はCMOS化されているのかとも思いましたが違うようです。
念のためIntelの8088とSiemensのSAB8088のデータシートを比較してみたところどちらもPower Supply Currentは340mAで違いはありませんでした。このパッケージの違いは何なのでしょう?
電源は5Vですから1.7Wの消費電力ということになりますね。
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