2016-06-09 16:53 — asano
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4回目はオーディオカセットです。
ご存知オーディオ用のコンパクトカセットです。もう音楽用としてもあまり見なくなりましたが、パソコンの黎明期にはプログラムの保存用として使われていました。何しろ外付けのフロッピーディスクドライブがパソコン本体と同じくらいかそれ以上に高価だった時代のことです。
仕組みは単純で、モデムの音を録音しておいて、後で再生するというイメージです。もちろんハンドシェイクもリトライもできませんからあまり速度を上げることはできませんで、300~3000bps程度でした。速度だけではなく変調方式もフォーマットも各社バラバラでしたから同一機種以外での互換性はありません。
私の使っていたPC-8001mk2では600bpsの調歩同期式シリアルの信号を1200/2400HzでFSK変調していました。機種によってはソフトウェアでポートをOn/Offして波形を作っているものもありましたね。
さて当時私はパソコン用のテープとしてこのCHF46を愛用していました。「パソコン用」として10分程度の短いものも売られていたのですが、品質の悪いものが多かったのと、プログラム一つにテープ1本は贅沢と思ったためです。テープ毎にカウンタ値と内容を記入した台帳を作って、テープ末尾以外には書き込まない、という運用をすることで何とかなっていました。
今ざっと計算したらこのテープ片面で80kバイト程、両面で2Dのフロッピーでディスクの半分ですね。BASICのフリーエリアが20kバイト強ですから手頃なサイズと言えるでしょう。
パソコンは録音用の音声信号を出力するだけですから、それを何で録音するかはユーザにゆだねられています。Cカセット以外の選択肢は殆ど無いので普通はCカセットを利用するわけですが、音声信号という単純なインターフェイスのおかげでいくつか面白い試みがなされました。
一つはソノシートにして雑誌の付録にすること。CDと違って柔軟性があり、また既に音楽で実績もあったためか綴じ込み付録としてすんなり流通できたようです(CD-ROMを初めて付録にしたときはひと悶着あったようです)。
もう一つはテレビの音声多重放送で流したこと。視聴者はこれを録音しておいてパソコンに読み込ませることができました。
どちらもノイズが多かったり録音レベルの問題だったりで読み込みエラーが多発してあまり実用的ではなかったのですが、アイディアとしては面白いものでした。
これはCE-125Sのところでも紹介しましたマイクロカセット。
このテープは透けるほど薄いので信頼性に不安があるのですが、ポケコンでしか使わなかった(電源を切っても消えないので頻繁にテープから読む必要がない)ので、読めなくなることが多い印象はありませんでした。
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