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P2000C (分解編)


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以前紹介したDVDプレーヤP2000Cの内部を覗いてみました。

内部
まずはトップカバーを開けてみます。

右側は電源、残りのスペースのほとんどをドライブが占めています。
ドライブはプラを多用した構造で、金属部品は必要最小限といった超コスト重視なつくりでした。

メイン基板はドライブの下にあるようです。

さて、ここまでは簡単だったのですが、この先が大変でした。

何はともあれ基板を拝みたいのでドライブを外さなくてはなりません。底板に4本のネジで固定されていたので外したのですが、取れる気配がありません。

まだネジが残っているのか見ようとしても見えないのです。前後はパネルがありますし、底板の左右が上に折れているので横からも見えません。

仕方ないのでフロントパネルとリアパネルを外すことにします。
メイン基板との間のハーネスが邪魔なので抜こうとしたらコネクタを壊してしまいました。ドライブが外れないと修理も困難なのでとりあえずそのままにして分解を進めます。

いじくっているうちにドライブが外れない理由がわかってきました。

メイン基板は底板にではなくドライブに固定されていました。そしておそらく放熱のためと思われますが基板上のICが底板に両面テープのようなもので貼り付けてあったのです。そういうことであれば力で剥がすしかありません。

メイン基板
これがドライブの裏にあった基板です。

中央の大きなQFP、M3351がDVDプレーヤ専用のコントローラのようです。データシートは発見できませんでしたが、簡単なブロック図がありました。それによるとRFアンプとモータドライバを直接コントロールでき、MPEGデコーダやMCUも内蔵していてROM・SDRAMを外付けすればDVDプレーヤができてしまいます。

右下のラベルが貼ってあるのがFlash EEPROMでしょう。PLCCのものが使われていますが、パターンはPLCCとTSOPの共用になっています。

下のGX32002MT-75もデータシート見つかりませんがSDRAMではないかと思います。

すぐ左にある8ピンはAT5608、EEPROMのように思いましたが、モータドライバでした。データシートのApplicationsにはDVD and VCD player tray driverとズバリなものが書かれていました。

その左の見るからにモータドライバなのはAZ5954、これもCD-ROM/DVD用のモータドライバです。ピン説明にSled driver output, Focus driver output, Tracking driver output, Loading driver output等とあって光学ドライブに特化していることがわかります。

M3351の左の小さなQFPはM5709、M3351のブロック図にも登場していたICでRFアンプだそうです。

この上のPCM1606Eはオーディオ用のD/Aコンバータですね。

壊したコネクタ
これは壊したコネクタのアップです。

接着剤で固められていて、引っ張ったら基板側のボックス部分が取れてしまいました。端子は基板に残っているのでもう一度穴に通そうとしたのですが難しいですね。

CX1084-3.3
3.3Vのレギュレータが放熱のためかシャーシにネジ留めされていました。ハンダ付けはされておらず、コネクタに差し込んでから抜けないように先を曲げてあります。

予想通りですが、安く手っ取り早く作った感が満載でした。

参考文献・関連図書: 
AT5608データシート, Aimtron.
AZ5954データシート, Advanced Analog Circuits.
PCM1606データシート, Texas Instruments.
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