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Hitachi HN58C65


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これは最近ではあまり見かけないパラレルバスのEEPROMですね。

HN58C65P-25
日立のHN58C65P-20、8x×8bitのEEPROMです。1995年製でアクセスタイムは250nsのものです。

ピン配置はUVEPROMの2764やSRAMのHM6264などと合わせてありますが、相違点もあります。

  • 1ピンは2764ではVppであるが、HN58C65ではRDY/Busyとなっている
    書き込み時に必要な高電圧は内部で生成しているのでVppは不要となっています。その代わりに電源のOn/Off時などに内容が書き換わらないよう対策が必要になっています。HN58C65自身にも保護機能を持っており、また回路設計時にも配慮が求められます。
  • 26ピンはHM6264ではCS2であるが、HN58C65ではNCとなっている
  • 27ピンは2764ではPGMであるが、HN58C65ではWEとなっている

2764で設計された機器をHN58C65に置き換えるのは容易です。2764の1ピンには5Vが来ているのでこれを切れば差し替え可能です。あとは誤ってデータが書き換わらないよう27ピンの処理を確認しておきます。

書き込み方法は2764とは異なりますからライタの対応は必要です。

6264の代わりに挿せるかというと、電気的にはそのまま差し換え可能ですがそのままでは動作しないでしょう。

EEPROMの書換えには時間がかかるのでしばらくアクセス不能になるからです。また書換え回数には制限がありますからそのことも考慮する必要があります。SRAM用のソケットが複数ある中の一つに載せることができ、それにあわせてソフトウェアを準備すれば動作するといったところです。

これでも以前のEEPROMよりは格段に使いやすくなっているのです。

TK-80に使われたNECのμPD454などは電気的に消せるといっても紫外線のエネルギーの代わりを電気的に加えるわけで、消去時には+36Vと-40Vを印加するというとんでもない仕様です。抵抗を通して加えなければならないのですが、200Ω, 10%, 10Wのものが必要らしいです。10Wの抵抗器ってROM自体と変わらないようなサイズですよ。

そこまででなくても同じ日立の16kビットのHN48016Pは書き込みに10msかかるのですが、この間はアドレス・データを与え続けていなくてはなりません。つまりCPUバスに繋いだまま書き換えるわけにはいかないということです。ウェイトサイクルを挿入する(10msの間全ての処理が止まるのを許容できれば)か、外部にラッチを設けるかといった対応が必要です。
また書き込みには+25Vの電源も必要です。

どちらも消去は一括のみ可能で、バイト単位の書換えは出来ません。

それに対してこのHN58C65は、5V単一電源、バイト単位で書換え可能、書き込み中もバスは他デバイスのアクセスに使用可能です。

参考文献・関連図書: 
神垣良昭ほか(1986)「64kビットCMOS EEPROM "HN58C65"」,『日立評論』1986年7月号,pp.75-78,日立評論社.
HN58C65 Series データシート, Hitachi.
uPD454データシート, NEC.
HN48016Pデータシート, Hitachi.

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