2019-03-23 23:58 — asano
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近代科学資料館が三月一杯で休館するという情報があったので、その前にもう一度行ってきました。
これはタイガー計算機製の電動式計算機です。
機械式計算機のハンドルを電動モータで回転させるようにしたもので、計算の仕組み自体は機械式そのものです。かなりの騒音だったとか。
手動式のものは私も入手できたようにたくさん残っていますが、電動式はほとんど残っていないそうです。
カシオのリレー式計算機 14-B、国立科学博物館にも 14-A がありましたがこれはその改良型です。
デスクの幕板の部分に回路が入っています。裏側のパネルが外されたものは以前見たことがありますが、これは手前側のパネルがはずされて見えるようになっていました。裏側から見るとリレーがびっしり並んでいるのですが、手前側は配線がびっしりあり下のほうには巻線抵抗器が見えます。
日本の電卓開発の手本になったといわれるANITA Mk8です。
初期の計算機にはこのように桁ごとにボタンが並ぶフルキーシステムを採用するものも多かったようです。
ソニーも昔は電卓を作っていました。これはSobax ICC-700、カセットに計算式を記憶させて定型計算ができるというもの。
デザインも編集機のコンソールのような雰囲気であまり電卓らしくありませんね。
このキーを見ていると後のパソコン SMC-70 のキーボードを思い出します。
Altair 8800のCPUボードもありました。もちろん本体もあります。
機能ごとに分かれたボードを目的に応じて挿すスタイルで、このバスは後にS-100バスと呼ばれさらにはIEEE-696として標準化もされました。
ひときわ大きなセラミックDIPが8080、ここに載っていたのはNational Semiconductor社製のINS8080ADです。
右上の24ピンは見難いですがP8212と思われます。残りは汎用ロジックばかりですね。
電源は非安定のまま供給して各ボードで必要な分を安定化する仕様なので左上にはレギュレータがあります。左下の巨大な抵抗器は何でしょう?
ラストはテレタイプのASR-33です。Twitterにこれの写真載せたら「懐かしい」という声を多数いただきました。
キーボードとプリンタ、それに紙テープのパンチャとリーダが一体になったものです。主にミニコンの端末として使われました。
前回訪れたのは約2年半前の2016年8月、その時から展示はそう変わっていないように思います。今回写真を載せたものも特に前回無かったものを選んだわけではありません。
そんな中で最大の収穫は販売されていた小冊子「パラメトロンとリレー計算機」かもしれません。特に現代の素子を利用してパラメトロンを再現するというのは興味深いです。
注:本記事の写真は近代科学資料館の収蔵品を許可を得て撮影したものです。
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