2019-12-06 23:29 — asano
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これは古いメモリ、機能的にも外見的にもちょっと風変わりなデバイスでした。
NECのμPD454D、残念ながら製造年はわかりません。TK-80に使われていたようですから、まぁその頃のものでしょう。
容量が2kbit(256×8bit)のEEPROMです。以前取り上げた1702Aと同じです。
まずは機能面から。
EEPROMと書きましたが、今考える一般的なEEPROMとはちょっと違います。EEPROMというとオンボードで書き換え可能なイメージがあると思いますが、このμPD454Dをオンボードで書き換えるのはかなり困難です。確かに電気的に消去は可能なのですが、+36Vと-40Vの電源を必要とするからです。
ですから使い方としてはUV-EPROMと同様に専用ライタで消去・書き込みを行なうのが普通でしょう。
約1分で消去できるとのことなので時間短縮 & 紫外線ランプ不要はメリットです。
容量が4倍になったμPD458以降新たなものは登場しなかったようで、普及しなかったのが少し残念です。何か大きなデメリットでもあったのでしょうかね?
外見もちょっと変わっています。
まずフタが円形なこと、前に近代科学資料館で見たTLCS-12Aのメモリや周辺デバイスも円形でしたが、他ではあまり見た記憶がありません。
左側の切り欠きもやけに深いですね。しかもその奥にフタからのパターンが接続されています。フタはいずれかのピンにつながっていることが多いのですが...
ピンの接着も側面ではなく底面のように見えます。
裏側を見るとピンはやはり底面に接着されているようです。
なんとなく珍しいだけで買ってしまったものですが、動かしてみるとなるとかなり厄介ですね。読むだけなら+5Vと+12Vの電源を用意するだけなのでたいしたことはありませんが、書き込むには-2Vと+26Vが必要ですし、消去するのはもっと大変です。
とりあえずは読めるか試してみようかな、でも空のROM読んでも面白くないし...
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