2017-04-04 16:25 — asano
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古い配電盤用の安全器が出てきました。古い家だとまだ現役のところもあるかもしれません。
東芝製のモノ、材質は磁器です。昔は磁器製の電気部品が結構ありまして、アウトレット(壁のコンセント)とか電球のソケットなんかもありました。今は碍子以外はあまり見なくなりました。
茶色い丸は中の金属部品を固定しているネジを埋めた跡です。
これはうちの現在の配電盤です。15年ほど前に増築した際に木製の箱からこの樹脂製に取り替えられました。
左の「60A」と書かれている紫色のものはアンペアブレーカ、主に契約以上の電流を流さないための機器です。これは昔(少なくとも50年位前)からこのようなレバー式でした。もちろん60Aなんていう大容量は少なく、うちも確か30Aだったと記憶しています。
その右隣は漏電遮断器、前はこれは付いていませんでしたね。
さらに右に7つ並んでいるのが回路(階や部屋ごと、エアコン等)ごとのブレーカです。前はここに磁器製の安全器が使われていました。
リングを引っ張るとこのように開けることができます。
下側のフタには4つのネジがありますが、上下のネジを繋ぐようにヒューズを取り付けます。ヒューズは糸ヒューズといって針金のようなものを切って使うタイプと必要な長さに切ってあって両端に銅製の端子が付いた爪付ヒューズがありました。
短絡などさせればアンペアブレーカが回路を遮断してはくれますが、トータルが契約電流を超えるまでは(どこかの回路が安全な範囲を超えても)切れません。
例えば電気工事などで回路を切りたいときにはフタを開ければ切ることができ、またヒューズの交換は通電されていないフタ側だけで可能なようになっています。
さらに開いたフタを右にスライドさせることで外すことも可能です。
フタのネジには通電されていないとはいえ、配電盤は通常高い位置に設置されることが多いので脚立の上など不安定な場所で作業することになります。フタを外して机の上などで落ち着いてヒューズを交換することが可能なようになっています。
例によって当時は「そんなもの」と思っていたわけですが、今から思うと不便なものでしたね。
- 手探りでの復旧はできないので、懐中電灯・ドライバー・予備ヒューズをわかるところに置いていないと大変。
- 複数ある安全器のどれが切れたか外見からはわかりません。闇雲にフタを開けて確認すると関係ない部屋を停電させることになります。
- 予備のヒューズが無いと復旧させることが出来ません。コンビニ等の無い時代に夜中に切れてしまうと翌日電気店が開くまで復旧できなかったりします。とりあえず不要不急のエアコンの回路からヒューズを借用して電灯を復旧したり。
2018年10月28日 修正:
「陶器製」と書いていましたが、正しくは「磁器製」です。
先日の「ブラタモリ」を見てあれっと思って確認したら間違っていました。
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