2017-04-20 15:39 — asano
前にZ80 PIOのところで見たことも無いと書いたZ80 KIOですが、偶然見つけて入手できました。
Zilog製のZ84C9008VEC、2001年製と思われます。さすがにピン数が多いためDIP品は存在せず、この84ピンPLCCか100ピンQFPのいずれかのパッケージです。
これは8MHz版、他に10MHz, 12MHzのものもありました。
名称の「KIO」は何の略でしょうか? 「Killer I/O」(キラーコンテンツ等というときの「キラー」でしょう)とする情報が多いのですが、Zilog社のデータシート等で明記されているものは見つかりませんでした。やはり「殺人者」という意味もある(というか本来の意味)ので書きづらかったのでしょうかね。
中身はCTCとPIOとSIOを合わせてさらにハンドシェイク機能の無い8ビットのパラレルI/O・クロックジェネレータ等を搭載しています。CTC,PIO,SIOはどれも簡易版ではなくフル機能のものがチャンネル数も独立デバイスと同じだけ含まれています。SIOはピン削減の呪縛から開放されてチャンネルBも制約がなくなっています。
さすがにアドレス配置は固定されてしまいますが、既存のシステムの置き換えもやりやすそうです。
追加されたパラレルI/OはSIO等とマルチプレクスになっているので注意が必要です。使用頻度の低いピンがI/Oとしても使用可能程度に考えておくのが良いでしょう。
Z80ファミリのデバイスではI/Oアドレス以外に割り込みのデイジーチェインの接続という問題もあります。これは東芝のTMPZ84C015などと同様、レジスタに書き込むことにより変更可能となっています。
これとZ80 CPUのところで紹介したZ0840008PSCを組み合わせれば面白いかもしれません。高クロックのZ80はメモリが大変だったのですが、今ならアクセスタイム15nsなんていうSRAMがいくらでもありますから。
まだよく調べていないので簡単かわかりませんが、Z280と組み合わせてみるのも良いかも。
2018年7月26日 追加:
12MHz版も手に入りました。
1994年製のZ84C9012VSC、上に書いたように12MHz版です。これには「KIO」表記はありませんでした。
Zilogの「Z80 Embedded Controllers」という資料も見つけましたが、これにはしっかりと「Killer I/O」と書かれていました。
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