2017-04-22 22:28 — asano
カテゴリー:
これは現行品ですが、用途が消滅してしまったデバイスです。
これはMaximのMAX662A +12V, 30mA Flash Memory Programming Supplyです。その名前の通りFlash Memoryへの書き込み用の電圧を作るためのデバイスです。
現在のFlash Memoryはロジック電源(+5V, +3.3V, ...)のみで書き込めるのが普通ですが、初期のものはロジック電源とは別に+12Vの書き込み用の電源を必要としていました。
すでにシリアル通信も同じくMaximのMAX230シリーズによって+5Vのみで済むようになっていましたし、オペアンプ等のアナログ系も+5V単一で使えるものが増えてきており、+12V電源をFlash Memoryのためだけに用意するわけにはいかなくなっていました。
そこでこのようなデバイスが用意されたわけですが、書き込みに特別の電圧が必要なくなるとともに過去のものになってしまいました。
Maximという会社がとにかくディスコンを避ける方針なので生き残っていますが、他だったらもうなくなっているかもしれません。
UVEPROMライタを自作する場合、書き込み電圧Vpp(12~25V程度)にはTL497を使った回路が定番です。これはコイルの電流を断続することで発生する電圧を利用しており、外部に大きなコイルが必要になります。
私は2716の25Vや2764/27128の21VはTL497を使いましたが、27256の12Vのときは(お金に余裕がでていたこともあり)市販のDC-DCコンバータを選んでしまいました。
それに対してこのMAX662Aはチャージポンプという方式を用いているのでコイルは不要です。原理は簡単で、並列接続して充電したキャパシタを直列接続することで電源電圧の数倍の電圧を得るのです。MAX230シリーズ(MAX232が有名ですね)も同じ方式で正負の電源を得ています。
さて、出てきたのは良いのですが使いみちが思いつきません。このまま塩漬けにしておくしかなさそうです。
コメントを追加