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AT90S1200 RCEN書き換えボード


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前にAVR用ツールとして紹介したボード、AT90S1200用のRCEN書き換えボード(の未完成品)であることがわかりました。

基板 表側
これが表側の完成形です。前回の写真とどう違うのかって? ICの1ピンの横に100kΩの抵抗が増えています。

基板 裏側
裏側にも先ほどの抵抗以外に、配線が1本追加されています。

前回用途がわからなかったのですが、気になるのでいろいろと探してみました。

まず対象デバイスですが、20ピンデバイスで12Vを使用するもの、しかもおそらく使ったことがあるか使おうと検討したことのあるデバイス、ということで挙げてみると候補は次のような感じになります。

  1. AT90S1200
    SPIEN(シリアル書き込みの許可/禁止)とRCEN(クロックとして内蔵RC発信器を使用するかしないか)の2つのFuse Bitの書き換えがシリアル書き込みではできません。
  2. AT90S2313
    私の好きなデバイスです。SPIENとFSTRT(Power-on-RESETからの立ち上がりを早くする)の2つです。
  3. AT90S4433
    数個持っていますが、使った記憶はありません。SPIENの他、電源電圧降下の検知回路とリセット時間の設定ができます。
  4. ATTINY2313
    これは時期的に考えにくいですし、シリアル書き込みで変更可能なので必要ないはず。

この中で電圧降下検知とリセット関係は考えにくいです。今回調べて初めて「こんな機能あったんだ」と思ったくらいですから。
SPIENもシリアル書き込みを禁止する理由はあまり無いのですが、「許可する」必要はあったのかもしれません。
一番可能性の高そうなのはAT90S1200のRCEN、これを有効にすると外部に発振子無しで使えるようになります。発信子用のピンをI/Oとして流用できるとよいのですが、それはさすがに無理です。

ATTINY2313では内蔵RC発振を選択すると発信子用のピンXTAL1,XTAL2の2本が、内部リセットを選択するとRESET/dWがI/Oピンとして使えるようになります。

検索するとAT90S1200のRCENを書き換えるボードの製作記事っていくつも見つかります。その中で下の「リンク」のものがそっくりなので、当時その記事を参考に作ったのではないかと思います。

ここまでわかったら実際に書き換えて試したくなります。
まずはターゲットのデバイスを挿さずに電源を見てみます。5Vは正常、12Vは書き込む瞬間だけのはずなのでソケットでは測れません。切り替えているトランジスタのところで測ったら電圧は正常でしたが、何とソケットへの配線がされていませんでした。
デバイスを壊さないように確認後配線するつもりでストップしていたようです。ということは一度も使っていないということですね。

とりあえず配線してみたところ、今度は12Vが出っぱなしになってしまいました。どうも制御用のAT90S1200が動作していないようです。RESETを100kΩでプルアップしたところ12Vが切れたのでリセットが異常だったようです。

AVRのRESET回路はどうも怪しいです。データシートを読むとプルアップが内蔵されているようにも、外部につける必要があるようにもとれます。自分で設計するときには付けているのですが、参考にした回路ではオープンになっていました。

以上2点の修正でRCENの書き換えはできるようになりました。

せっかく使えるようになったのですが、AT90S1200の手持ちはあと数個、もう入手もできないようなので活躍しそうにはありません。
ATTINY系はシリアル書き込みでもFuse Bit書き込めるようですし。

参考文献・関連図書: 
AT90S1200データシート, Atmel.
関連項目: 

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