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Smith-Corona Classic 12


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これは私のものではありませんが、昔から家にあったもので、私がパソコンに興味を持つきっかけになったかもしれないものです。


これはキャリングケース、これではなんだかわからないですね。
Smith-Coronaの会社名からわかる人にはわかるかもしれません。


ケースを開けたところ。そう、これはタイプライタ、電池も電源も不要の完全機械式です。
ケースから出すこともできますが、母はよくこのまま食卓の上で打っていましたね。サイズがぎりぎりなのでキャリッジの位置を正しく合わせないと閉めることはできません。

ちなみにキャリッジとは紙をセットする部分で、1文字打つごとに左に移動していきます。普通プリンタでは左右方向は紙を固定して
ヘッドを移動させますが、タイプライタの場合ヘッドに相当する部分はキーボードと機械的に繋がっているので紙を動かすほうが簡単だからです。


キーボードはパソコン用と似ていますが、ストロークが深く重たいので慣れないと難しいですね。キーを押した力で活字を打ち付けているので、押し方が弱かったりゆっくりだと字が薄くなってしまいます。また字の面積で力が分散されるので、「.」(ピリオド)のように面積の小さい字は弱く打たないと穴があいてしまったりもします。
私も子供の頃、母が使い終わった後に遊ばせてもらったことがありますが、濃度ムラが酷かったですね。

配列についても異なる点が多くあります。この写真のモノには「1」(数字の1)がありますが、無いものもあったようです。印字結果がすべてなので「l」(小文字のL)で代用するんだとか。あとうちのは特注で文字を入れ替えているらしいです。どれと特定できないのですが、5の上の「£」とか右上の「!」「?」の逆さのとか、右側に多くあるアクセント記号とかが怪しいです。アクセント記号は当然アクセントを打ってから1文字戻してアルファベットを打つ重ね打ちです。アンダーラインも同様に重ね打ちします。パソコンと違って文字コードを考慮する必要がないのでこの辺は融通が利きますね。

「Q」の左はタブキーで、停止位置は自分で設定できます。上の「SET」「CLEAR」がおそらく設定用のボタンです。(これは誤りでした。発見したマニュアルにもとづいて書いたタイプライタの取説を参照)

最下段の左右端はもちろんSHIFTキーですが、すべての活字を上下に動かすのでかなり重たいです。「A」の左はCAPS LOCKではなくてSHIFT LOCKキーですね。SHIFTキーを押した状態に機械的にロックされます。ロック中はSHIFTキーは押し下げられた状態になるので、見ればロックされているかわかります(軽く押してみた感触でもわかるかもしれません)。解除するには押し下げられているSHIFTキーを更に押して離せばロックが外れて戻ります。
上から2段目右端の「↓ハ」はジャム解除ボタンですね。複数のキーを打つと活字の付いたハンマーが引っかかって戻らなくなることがありますが、そんなときに使います。
その下の「M-R」は1文字戻しだったと思います。
スペースバーは何も特別なものではありません。左の「HALF SPACE」は押すと1文字の半分進み、離すともう半分進むというものです。右の「POWER SPACE」は押している間進むというものです。

左にある「L」「M」「H」の切替レバーは、印字濃度の切替だったか、記憶が曖昧です。右側の黒・赤のレバーは印字色の切替ですね。2色のインクリボンをセットしていれば切り替えられますが、うちでは黒1色だったのであまり意味は無かったです。印字が薄くなってきたときに切り替えるとリボンの違う部分を使うようになるのでまたしばらく使えるという、それだけの使い方でした。

キャリッジの左についているレバーが現代の「CR」「LF」に相当するものです。1文字打つたびにキャリッジは左に移動するわけですが、これを右に戻す動作がCarrige Returnで、このレバーを右に動かします。この時紙が1行分上に送られ、この動作がLine Feedです。
左右についているノブは紙を上下に送るためのもので紙をセットするときや外すときに使うほか、「x²」の「2」を打つときに紙を少し下げたりするのに使います。もちろん字の大きさはそのままで、小さくすることはできません。
キャリッジの上に2つ付いている山形のマーカは印字範囲を設定するものです。キャリッジをレバーで戻すときに左側マーカのところまでもどります。文字を打っているときに右マーカに近づくとベルが鳴り、マーカに達すると打てなくなる(ベルは確認しましたが、打てなくなるほうは昔の記憶です)ようになっています。

昔よく母が食卓で英文の手紙を打っていました。それを眺めていて、終わるとちょっと触らせてもらったりしていました。
そんなことでキーボードへの憧れが生まれたのかもしれませんね。


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