2017-11-05 21:26 — asano
カテゴリー:
PC-8201に入っていたSRAMモジュール、似たものを持っていたはずと思っていたのですが発見しました。
日立のHM66204L-12、128k×8bitのSRAMモジュールです。アクセスタイムが120nsのものですね。
PC-8201に使われていたものは幅が700milでしたが、これは一般的なSRAMと同じ600milです。ピン配置も同容量のHM628128とほぼ一緒(HM628128にあるCS2が無いだけ)です。
類似品にHM66203という同容量のものもあります。ただしこれにはアドレスデコーダが搭載されておらず、A15, A16の代わりにCSピンが4つになっています。
このモジュールで面白いのはマーキングです。データシートによるとHM62256のSOP品が搭載されているのですが、マーキングはHM62256ではなくモジュールとしてのHM62204になっているのです。どちらも日立製だから可能なのでしょうが、これまでに取り上げた「SIMMふたたび」「またもや30ピンSIMM」などではマーキングは(同一メーカでも)個別のデバイスのものでした。
デートコードにも興味深い点があります。
普通に考えてSRAMもデコーダのHD74HC138も同時期に製造されているでしょうし、モジュールとしての製造時期もそう違わないはずです。SRAMに記載されているデートコードは「8945」で1989年の第45週を示しています。SRAM自体のものかモジュールとしてのものか不明ですが大差は無いでしょう。HC138のデートコードは「9K4」で、「日立製半導体のデートコードについて」の推測によるとXXX9年10月の第4週ということになります。1989年と考えればほぼ一致していますね。
裏面には残りのSRAMが2つとパスコンが実装されていました。
この裏面のSRAMの厚さを考えてピンは長めになっています。
1989年といえば既にHM628128は登場しています。当初の値段はHM66204Lの方が安いでしょうが、他にメリットはあまり無いはずです。価格も時間の問題なので、これはHM66204の末期のものなのでしょう。
コメントを追加