M48T18 Timekeeper SRAM
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しばらく「パーソナルなコンピュータのメモリ事情」を書いてきましたが、今日からいつもに戻ります。
STMicroelectronicsのM48T18-100MH1 Timekeeper® SRAMです。
これはRTC (Real Time Clock)とSRAMを一体化したもので、外部とは8k×8bit SRAM同等のインターフェイスになっています。ピン配置も一般的な64k SRAMとそっくりです。
しばらく「パーソナルなコンピュータのメモリ事情」を書いてきましたが、今日からいつもに戻ります。
STMicroelectronicsのM48T18-100MH1 Timekeeper® SRAMです。
これはRTC (Real Time Clock)とSRAMを一体化したもので、外部とは8k×8bit SRAM同等のインターフェイスになっています。ピン配置も一般的な64k SRAMとそっくりです。
日本ではPC-9801RAから(PCではPS/2の一部から)搭載された80386になるとCPUのメモリ空間は4GBとなり、しばらくこの4GBの時代が続くことになります。
しかし当時本当にありがたかったのはメモリ空間が増えたことより、仮想86モードが使えるようになったことでしょう。プロテクトモードにいながら8086互換の環境を提供できるようになり、ソフトウェアのみでメモリの再配置が可能になりました。
これにより1MB超にあるメモリの好きな部分を1MB内の好きなエリアに割り当てることができます。これはコピー操作を伴わないので時間はかかりませんし、同じメモリを複数個所にマップしても矛盾は生じません。
といったことが可能です。1,2ができるので増設メモリはプロテクトメモリ用のみですべての機能が実現できるようになるのでメモリボード選択の悩みもなくなります。3はメモリ管理チェーンに組み込むことでドライバや常駐プログラムのエリアとして使うことができます。
80286が使われるようになるとCPUのメモリ空間は16MBありますのでメモリ問題は解決(一時的なものなので先送りと言った方が良いかもしれません)したかと思いきや、そう簡単ではありませんでした。
80286にはリアルモードとプロテクトモードという2つの動作モードがあります。リアルモードでは8086のソフトウェアがそのまま動作しますが、メモリ空間は1MB (実は「+α」があり、後で出てきます)のままです。リセット後は自動的にリアルモードになるので特別なことはせずに高速な8086として使用できます。一方プロテクトモードでは16MBのメモリ空間が使えますが、ソフトウェアの変更が必要になり、OSもMS-DOSは使えず専用のもの(OS/2など)が必要になります。
ここで皆がOS/2へ移行していれば良かったのですが、DOS互換機能に難(後に80386で解決)があったこともあり多くの人が移行せずDOSを使い続けたためメモリ問題に悩まされ続けることになります。
MS-DOS環境で大きなメモリを使う工夫は8086時代の延長ですが、新たなものも加わりました。
8086/8088に移行して1MBというメモリ空間を手に入れましたが、すぐに不足をきたすようになります。
PC-9801の発売から4年後のPC-9801VM21で標準搭載のメインメモリは640kBとなり、拡張は限界に達しました。同じ頃、メモリ空間が16MBの80286搭載の上位機種も発売されていますが、8086やV30(NEC製の8086改良版でメモリ空間は1MBのまま)の機種もラインナップとして残りました。また従来機を640kBにまで拡張して使い続けるユーザも多くいました。
これらの機種でも大容量のメモリを使いたいということでいくつかの方式が考えられました。
8ビットCPUで無理をするよりメモリ空間の広い16ビットCPU 8086/8088を採用したものも現れました。
初期の代表機種には以下のようなものがありました。
「8ビット中期」で書いたバンク切り替えという手法はメモリ空間をいくらでも増やすことができるものですが、活用するプログラムを作成するのはかなり大変です。GVRAMなどには向いていますが、メインメモリを64kを超えて拡張してもなかなか有効には活用されません。RAMディスクなどとして使われることが多かったと思います。
その中でMMUを搭載してこれに立ち向かった機種もいくつかありました。バンク切り替えと大きな違いは、バンクではCPUのメモリ空間の特定の場所にしかマップできませんが、MMUでは好きな場所に出現させることができます。
シャープのMZ-2500や日立のS1がそうです。
前回書いたように初期のパソコンではCPUのメモリ空間(64kB)は十分なものでした。ところが程なくして不足するようになります。
1981~1982年ごろ発売の代表機種にはこんなものがありました。
最初はオプションとしてフルキーボード・モニタ(多くはテレビで代用)出力・増設メモリを載せてBASICが使えるといった状況でしたが、やがていわゆる「パソコン」と呼ばれるものが登場します。
日立のベーシックマスター、シャープのMZ-80K、NECのPC-8001等です。
今回から数回にわたって「パーソナルなコンピュータのメモリ事情」を書いてみたいと思います。「パソコン」としないのは個人でプログラムできるコンピュータとしてもう少し広く考えているからです。
日本では上の条件を満たす最初のグループは半導体メーカがトレーニングキットとして販売したマイコンボードでしょう。本来はエンジニア向けのものですが、ホビーストが飛びついてブームとなりました。
その他アメリカからAltairやIMSAIを輸入したり、個人で自作することも多かったようです。
代表的なものをいくつか挙げてみます。カッコ内はソケット等で増設可能な最大容量です。