2018-07-15 22:56 — asano
前にマニュアルを取り上げましたが、MCS-51の現物もいくつか入手できました。
これはIntelのD80C31BH、ROM無しのCMOS版でセラミックのパッケージに入ったものです。
MCS-51は8741Aのところで書いたMCS-48の後継チップに当たります。シングルチップに基本機能を詰め込むというコンセプトはそのままに、命令体系等は大幅に拡張されました。
ROMのタイプや容量の違いによるラインナップはMCS-48とよく似ています。
Family | MCS-51 | |||
---|---|---|---|---|
ROM容量 | 4kB | 8kB | 16kB | 32kB |
RAM容量 | 128B | 256B | 256B | 256B |
Mask ROM | 8051 | 8052 | 8054 | 8058 |
UV-EPROM | 8751 | 8752 | 8754 | 8758 |
ROMless | 8031 | 8032 | (8032) | (8032) |
CMOS版は間に「C」が入ります。ROM容量の大きなものはNMOS版はなくCMOSのみだったように記憶しています。
ROMは32kBと当時としては大きな容量のものが用意されていますが、RAMは最大でも256バイトしかありませんね。
I/Oピンがかなり減りますが、外部にメモリを増設することも可能(ROM無しの場合はもちろん必須)です。このMCS-51の特徴はプログラム用メモリとデータ用メモリが厳然と区別されていることで、データ用メモリの読み書きにRD,WRを使用するのは通常のプロセッサと一緒ですが、プログラム用メモリを読むにはPSENという別の端子を使用します。
プログラム用メモリへの書き込み信号はありませんから、自己書換えのようなことは出来ません。プログラムを外部からRAMにロードして実行したい場合はプログラム用とデータ用で同じRAMを共有するといった工夫が必要です。
空間を分けていればそれぞれ64kB、合計で128kBのメモリ空間を使用できます。
やはりROM無しですがRAMが256バイトに増えているP8032AH、プラスチックDIPのNMOS品です。
これも8032ですがCMOSのP80C32、なんかキズだらけです。
すべてIntel製でセカンドソース品はありませんね。UPI-41やMCS-48はNECや東芝などが作っていたのですが、MCS-51ではIntelが絞ったのか他社製をあまり見かけません。そのせいか現役の頃は非常に高価なデバイスでした。
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